2020年コロナ禍のベストレコード(中川)

新年明けましておめでとうございます。

武蔵野レコード中川です。

定期的に、レア度、音質、おすすめなどいろんなテーマでアナログレコードを持ち寄ってかけては自慢し合う(上手くハマらないとスルーされる)という、おじさんの会が武蔵野レコードです。

主にメンバーを「おっ!」と言わせたいがために、レコード屋に通う側面がなきにしもあらずですが、コロナ禍によってレコード屋通いもままならず、否が応でも己と音楽との関係の再定義を迫られる、そういう意味でも内省的にならざるを得なかったのが2020年とも言えます。

常にドメスティックでルーツ寄りな音源を求めがちな自分ですが、今年はさらにそれに磨きがかかり、かつ購入数も例年の半分ほどでした。

とはいえ、音楽に助けられた側面も多々あるので、例年通り、今年を振り返りたいと思います。順不同。

Wool & the Pants – Wool & the Pants(2020)

ほぼ新譜は買わない一年でしたが、これだけは「ボトム・オブ・トーキョー」を試聴して即買いました。元々、坂本慎太郎(日本の宝!)がおすすめしているというだけの理由で聴いたわけですが、このミニマルかつ真黒いグルーヴが、いかにも今っぽい感じがして気に入り、今年はよく聴いてました。一発目の出音から持ってかれる。

矢野顕子 – スーパー・フォーク・ソング(1992)

内省的でいうと、これが一番。自分にとって90年代は辛く長い時代でした。このアルバムを何度も何度も聴いてなんとか乗り切った感じもあり、アナログ化されたことを知り即購入。いまだに聴くとしんどい一方、一瞬にしてあの時代に戻る一枚ですね。次に出た『ピアノ・ナイトリィ』も良かったけど、こっちの方が選曲的にもど真ん中。まぎれもなく名盤。けど聴くといろんな意味でしんどい。

Weezer – Weezer(1994)

すっかり洋楽から離れかけていたときに、それでもハマった一枚。泣きメロとローファイな演奏すべてがエモい一枚。全曲素晴らしい。関係ないけど再発盤はセンターの穴が小さすぎて、知人宅では上手くかからず。ジャマイカ盤かよ!

Newest Model – DANCE HITS 1986-1989(2020)

ボ・ガンボスと並び当時ひたすら聴いたグループがこれ。「パンクとソウルの融合」と称され、意味も分からずよく聴いてました。今聴くと、確かに「こたつ内紛争」「デイズ」なんかは、他のタテノリビートパンクバンドとか明らかに異なる強烈なグルーヴを感じます。そして、中でも一番は「ヘイ・ポッキー・アウェイ」(ミーターズのカヴァー)。ミーターズももちろんかっこいいですが、余裕すら感じるのんびりグルーヴのオリジナルより、初期衝動でガツガツしたこっちの方に軍配が上がります。全編「つんのめる」感じが味わえるパンク=ソウルバンド。

はっぴいえんど – HAPPY END(1973)

今さら説明する必要もない日本語ロックの名盤。偶然安価で手に入れたオリジナル盤を聴いたら、もこもこした音のベルウッドCD盤では味わえない迫力の「風来坊」に驚きました。今までの時間を返してほしいわマジで。

Yusef Lateef – Eastern Sounds(1961)



Spotifyをシャッフルで聴いて流し聴きしていて、偶然出会って離れなくなったのが、この中の「ラブ・テーマ・フロム・スパルタカス」。以前Nujabesのドキュメンタリーか何かで耳にした時はそうでもなかったし、映画の『スパルタカス』も観てないのに、とにかく一聴して虜になりました。独特なオーボエの音と、バリー・ハリスのピアノがとにかく素晴らしい。この美しい一曲だけでも聴く価値はあります。

森進一 – 一番短い小説・男と女がいた(1980)

こちらも年末近くに偶然知った、企画・構成を阿久悠が手掛けた一枚。想像されるように、全編阿久悠のトレンチ・コート姿が目に浮かぶようなこってりしたアルバムですが、「函館のマリー」の軽やかなグルーヴをぜひ聴いてほしい。抑制のきいたトランペットがまたいいんですよ、これが。

動画はないのでこちらから

そんな感じでいつもの通り脈絡はありませんが、今年もよろしくお願いします!

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