2020年コロナ禍のベストレコード(本宿)

 昨年はここのメンバーが揃ってみんなで音楽を聴くことが出来ない淋しい年になりました。レコードを自慢いや共有する相手がいないと自ずと自宅環境と向き合うことになり、結果2020年の間にスピーカー、プリメインアンプ、ターンテーブル、フォノケーブル、スピーカーケーブル、カートリッジ諸々を一新しました。オーディオ環境変えたのは25年ぶりです。そうなると新環境でのレコード検証・再検証に忙しいことまあ。家にいる時間がどんなに長くても足りません。たぶん一生こんなことしてるんでしょう。とはいえ今年はみんなで集まって音楽聴きたいです。
 そして年間ベストなんですが、昨年は、あんまり新譜を聴いていないんですよねえ…これまでこんなに新譜聴かない年は無かったんですが、なぜなんでしょう。テレビやYouTubeでよく聴いた新曲って意味ではBTSとTWICEとNiziU笑 国内の新曲が閉鎖的・内向的ニュアンスのものが多いせいなのかなあ。YOASOBIも藤井風もいいんだけど、うちでいつ聴くのかなあと。
 というわけで新譜が少ないのですが、ざっと買って良かったやつを挙げました。昨年は、未聴のAOR、好きな曲のオリジナル7inchモノあたりに重点を置きつつ、出会ってしまったら定番名盤オリジナルを買う感じでした。

 

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2020年コロナ禍のベストレコード(中川)

新年明けましておめでとうございます。

武蔵野レコード中川です。

定期的に、レア度、音質、おすすめなどいろんなテーマでアナログレコードを持ち寄ってかけては自慢し合う(上手くハマらないとスルーされる)という、おじさんの会が武蔵野レコードです。

主にメンバーを「おっ!」と言わせたいがために、レコード屋に通う側面がなきにしもあらずですが、コロナ禍によってレコード屋通いもままならず、否が応でも己と音楽との関係の再定義を迫られる、そういう意味でも内省的にならざるを得なかったのが2020年とも言えます。

常にドメスティックでルーツ寄りな音源を求めがちな自分ですが、今年はさらにそれに磨きがかかり、かつ購入数も例年の半分ほどでした。

とはいえ、音楽に助けられた側面も多々あるので、例年通り、今年を振り返りたいと思います。順不同。

Wool & the Pants – Wool & the Pants(2020)

ほぼ新譜は買わない一年でしたが、これだけは「ボトム・オブ・トーキョー」を試聴して即買いました。元々、坂本慎太郎(日本の宝!)がおすすめしているというだけの理由で聴いたわけですが、このミニマルかつ真黒いグルーヴが、いかにも今っぽい感じがして気に入り、今年はよく聴いてました。一発目の出音から持ってかれる。

矢野顕子 – スーパー・フォーク・ソング(1992)

内省的でいうと、これが一番。自分にとって90年代は辛く長い時代でした。このアルバムを何度も何度も聴いてなんとか乗り切った感じもあり、アナログ化されたことを知り即購入。いまだに聴くとしんどい一方、一瞬にしてあの時代に戻る一枚ですね。次に出た『ピアノ・ナイトリィ』も良かったけど、こっちの方が選曲的にもど真ん中。まぎれもなく名盤。けど聴くといろんな意味でしんどい。

Weezer – Weezer(1994)

すっかり洋楽から離れかけていたときに、それでもハマった一枚。泣きメロとローファイな演奏すべてがエモい一枚。全曲素晴らしい。関係ないけど再発盤はセンターの穴が小さすぎて、知人宅では上手くかからず。ジャマイカ盤かよ!

Newest Model – DANCE HITS 1986-1989(2020)

ボ・ガンボスと並び当時ひたすら聴いたグループがこれ。「パンクとソウルの融合」と称され、意味も分からずよく聴いてました。今聴くと、確かに「こたつ内紛争」「デイズ」なんかは、他のタテノリビートパンクバンドとか明らかに異なる強烈なグルーヴを感じます。そして、中でも一番は「ヘイ・ポッキー・アウェイ」(ミーターズのカヴァー)。ミーターズももちろんかっこいいですが、余裕すら感じるのんびりグルーヴのオリジナルより、初期衝動でガツガツしたこっちの方に軍配が上がります。全編「つんのめる」感じが味わえるパンク=ソウルバンド。

はっぴいえんど – HAPPY END(1973)

今さら説明する必要もない日本語ロックの名盤。偶然安価で手に入れたオリジナル盤を聴いたら、もこもこした音のベルウッドCD盤では味わえない迫力の「風来坊」に驚きました。今までの時間を返してほしいわマジで。

Yusef Lateef – Eastern Sounds(1961)



Spotifyをシャッフルで聴いて流し聴きしていて、偶然出会って離れなくなったのが、この中の「ラブ・テーマ・フロム・スパルタカス」。以前Nujabesのドキュメンタリーか何かで耳にした時はそうでもなかったし、映画の『スパルタカス』も観てないのに、とにかく一聴して虜になりました。独特なオーボエの音と、バリー・ハリスのピアノがとにかく素晴らしい。この美しい一曲だけでも聴く価値はあります。

森進一 – 一番短い小説・男と女がいた(1980)

こちらも年末近くに偶然知った、企画・構成を阿久悠が手掛けた一枚。想像されるように、全編阿久悠のトレンチ・コート姿が目に浮かぶようなこってりしたアルバムですが、「函館のマリー」の軽やかなグルーヴをぜひ聴いてほしい。抑制のきいたトランペットがまたいいんですよ、これが。

動画はないのでこちらから

そんな感じでいつもの通り脈絡はありませんが、今年もよろしくお願いします!

2020年コロナ禍のベストレコード(青木)

新年明けましておめでとうございます。武蔵野レコードの青木です。

昨年は、1〜2ヶ月に一度メンバーで集まって互いが持ち寄ったレコードをひたすら聴き続ける定例会が殆ど開催できなかった異例の年でした。一方で、在宅の機会が増えたおかげで個人でレコードを楽しむ機会は格段に増えました。良くも悪くもこれからはそういう生活を覚悟しなければならず、かつそれをエンジョイする術を身につけなければならないのでしょう。では2020年を振り返ります。

 

Procol Harum – A Salty Dog

昨年春先はこればかり聴いてました。本国イギリスをはじめ主要国製造のものをいくつか聴き比べた結果、B級グルメっぽさのある写真のスカンジナビア盤が最も耳馴染みが良かったです。とかく眠たい印象を与えがちなこのアルバムに適度なメリハリを盛り込んだエンジニアの機転を讃えたいと思います。

Parliament – Trombipulation

夏はP-FUNK一辺倒。特にパーラメント。歳のせいか暑苦しいファンク・ミュージックからはしばらく遠ざかっていたはずなのにその反動なのかどうか、ジャケ写が特に気持ち悪いこれを飽きもせずまあよく聴きました。

Booty Collins – Ultra Wave

P-FUNKといえばこの人。昨年はその存在を再発見した年でもありました。独特のベースはもちろん、セクシーと言うより「スケベ」と形容した方がはるかにしっくり来る爬虫類ボーカルの虜に。

Bootsy’s Rubber Band – Ahh…The Name Is Bootsy, Baby!

ラバーバンド名義ですがブーツィをもう1枚。2曲めThe Pinocchio Theoryは故プリンスが自宅でパーティーを開く際は必ずかけてたそうです。これをかけると在宅勤務が捗りました。

Burt Bacharach – Butch Cassidy And The Sundance Kid (Original Score)

初めて入った名古屋大須の素晴らしいレコード屋、greatest hitsで入手。バカラックが必殺の美メロを緩急忙しない展開に乗せて押しまくるA面ラストのSouth American Getawayだけを2,000回くらい聴いたと思います。

Curtis Mayfield – Super Fly



これも
greatest hitsで手に入れたサントラ。アルバム中唯一ニューヨークで録音されたA2曲目、Pusher Manのパーカッションの粒立ちと来たら

Ry Cooder – Into The Purple Valley

年末にかけてはライ・クーダー一色でした。こんなに豊かな音楽をどうしてこれまでもっと真剣に追い、聴いてこなかったのか!たまたま同じタイミングで久々に聴いた、あんなに好きだったレッド・ツェッペリンがクーダー浸透後の耳にはあまりに大仰で退屈なのに驚きました。人間、変われば変わるものです。

Four Seasons – Vivaldi

昨年公開された仏映画「燃ゆる女の肖像」を観た人は間違いなくヴィヴァルディ「四季」が聴きたくなるわけで棚をくまなく探したらうちにもありました、数年前に知人からもらったレコードの中にカール・ミュンヒンガー指揮の凄まじい高音質重量盤が。この解像度で58年録音だと言うから驚いてしまいます。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2019年のベストレコード(青木)

武蔵野レコードの青木です。今年もよろしくお願いします。

これから私が2019年に手に入れたレコードを振り返り、「これはたいへん良かった」というものを紹介していきます。

2019年は1枚1枚をじっくりと聴く機会の多い年でした。「安いから」「いずれ聴くかもしれないから」「何か天気良いから」といったあやふやな理由でレコードを購入するのをできるだけ控え、真摯に向き合う価値が確実にあるであろう(と思える)ものだけに一定程度の支出を許した年でした。

そんな保守的な購買方針にもかかわらず、思ってもみなかった素晴らしい出会いがいくつも待ち受けていたのですから、やはり世界は広く、奥深いものです。

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2019ベストレコード(石井)

明けましておめでとうございます。武蔵野レコード石井です。

今日は5日で、明日から仕事始めなんですが、毎日10時間近い睡眠を貪っていたせいか仕事モードに全然なりません。リハビリがてら「2019年のベストレコード」を書こうと思います。

でも皆さん、何が2019年に買ったレコードかなんて覚えていますか?って言ったら、中川さんに「ちゃんとExcelで管理しなきゃダメなじゃないですか!」って怒られちゃいました。中川さんは、ムサレコでかけたレコードもExcelで管理しているようですよ、マメだなあ。

グダグダ言っていないで始めてみたいと思います。あ、ぼくは旧譜オンリーです。

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2019年のベストレコード(本宿)

皆さん今年もよろしくお願いいたします。

私は札幌在住なので、地元の個人店とDiscogs、ヤフオク、amazon、それにたまに行く東京でのまとめ買いが入手経路です。ユニオンやHMVなど、安く在庫が豊富な環境が近くにないのは痛いですが、札幌の個人店はなかなか取り揃えが面白くて、充実のレコードライフを送っております。

昨年もたくさんいいレコードと出会えました。ここで皆さんに少しでも参考になる情報をシェアできればと思います。

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2019年のベストレコード(中川)

明けましておめでとうございます。武蔵野レコード中川です。

今年もよろしくお願いいたします。

年末のいろんなまとめ記事に触発されて、「自分たちも2019年を総括した方がいいんじゃないか」と言い出したくせにまったく年内まとめられませんでした。すみません。

先に鈴木さんが記事上げてくれているので、そのフォーマットに便乗して昨年のまとめを。

私は相も変わらず、新譜というよりは過去ものが中心で、高価なものはほとんど買わない主義ですので、そのあたり念頭に置いた上でご覧ください。

というわけで、新譜(と新しめ)&中古でお届けします。

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2019年のベストレコード(鈴木)

武蔵野レコード鈴木です。今年もよろしくお願いします!

昨年はおそらく、今まで生きてきた中で最もレコードにお金を使ったと思います(詳細は中古編参照)。。。しかし、そのおかげでとても楽しいレコード生活を送ることができました。

SpotifyやApple Musicで聴いたものも多数ありますが、武蔵野レコードのブログということで、あくまでもアナログレコードに限った話で、昨年良かったレコードベスト5を「新譜」「再発」「中古」それぞれで挙げていきたいと思います。

それではどうぞー。

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【プレイリスト】2/25(日) 武蔵野レコードpresents アナログレコード鑑賞会@割烹旅館東山

2/25(日)にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

実はこの日、愛甲を除くメンバー5人で昼飯を兼ねて大宮の名酒場「いづみや」に行ってから東山へ入ったのですが、ちょっと飲みすぎまして笑、イベントのスタート時点で既に出来上がっていた我々でした…。

さて、イベント中のみなさんの顔や、終わったあとの声を伺うに、今回も結構楽しんでいただけたのではないかと思います。
「ジャズプレゼン」は我々にとってもチャレンジだったのですが、パワポを使ったプレゼンから始まり、デューク・エリントンで締まるという、結構良い流れでしたね。というか、僕(鈴木)が普通に勉強になりまして、イベント以降、ここでかかったものをリピートして聴いています。
しかしながら特に前半のセレクトが結構渋すぎたのでは、という反省も何となくありまして、次回以降に生かしていきたいと思います。

そして、今回もレコードを持ち込みいただいた方、本当にありがとうございました。2枚とも音が素晴らしく、最高でした。

ということで、当日のプレイリストとジャケ写真、あと会席料理の写真もアップしておきます。続きを読む →